Inspector Jack Frost

ZINE ”My Book Shelf”より

「フロスト警部シリーズ

R.D.ウィングフィールド
芹澤恵  訳
創元推理文庫

イギリスの田舎町デントンでは次から次へ起きる事件に、仕事中毒の名物刑事ジャック・フロストが不眠不休で大奮闘…!
大大大好きなシリーズ。日本でもとても人気のあるシリーズでミステリランキングの常連であった。芹澤恵さんの翻訳が素晴らしく、フロストの下品なギャグや皮肉も含め日本語の文章として読みやすく複雑なプロットもすいすい読める。もともと寡作であった作者のウィングフィールド氏は2007年に亡くなってしまい、もう新刊が読めないのが悲しい。
ちなみに最後の作品となってしまった『フロスト始末』はウィングフィールド氏の死去の翌年に出版されたとのことで、いつもヨレヨレで貧乏くじをひかされていて超過勤務ばかりだったフロストへ、作者からのささやかな最後のプレゼントでもあるような読後感であった。
表紙のイラストのせいか定年間近のおじいさんのようなイメージだが、フロストはシリーズ最初に40代後半の設定で意外と若い。イギリスでドラマ化もされているらしいが、写真を見る限りではこれも少しイメージと違う。実写化するなら誰…?と考えた結果、私のベストワン候補は「滝藤賢一」。日本のテレビ局は『24』日本版など制作している場合ではない。今すぐ日本版フロストを制作してほしい。」